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キックオフは前に蹴らなくてもOK。大きく変わるサッカーのルール。変更点を10のポイントで解説 / Jリーグ 7月からルール変更 / "追加の副審"ナビスコ杯で本格導入 [FIFA / World News]

フットボールチャンネル
キックオフは前に蹴らなくてもOK。大きく変わるサッカーのルール。変更点を10のポイントで解説
2016年05月19日

3月5日、ウェールズにて行われた国際サッカー評議会(IFAB)第130回年次総会にて、2016- 2017年競技規則の改正が決定された。新ルールの施行は6月1日からであり、現在行われているリーグ戦については、新シーズン開幕まで導入を遅らせることが可能である。IFAB130年の歴史で最も広範囲と言われる今回の改訂によって何が変わるのか。数ある変更のうち、10のポイントを紹介する。(文:中山佑輔)

1.「決定的な得点機会の阻止」はレッドカードが出なくなるケースも

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2010年W杯でスアレスが犯したハンドのようなケースは、従来通りレッドカードが提示される【写真:Getty Images】

 ペナルティーエリア内において、「決定的な得点の機会の阻止」をした競技者は、今回の改正以前では「退場」であった。つまり、相手チームにPKが与えられ、反則をした競技者は退場となり、かつ次試合出場停止が課せられた(一般的に「三重罰」と称される)。

 だが新ルールにおいては、ペナルティーエリア内において、「決定的な得点の機会の阻止」をした競技者は、ボールにプレーしようとしていた、または、ボールへ向う相手競技者にチャレンジした場合は「警告」となる(退場とはならない)。一方、ペナルティーエリア内であっても、以下のケースはフェアプレー遵守のため、「退場」となる(「三重罰」が課せられる)。

a.
ホールディング
(押さえる)、プッシング
(押す)、プリング(引っ張る)する行為

b.
ボールにプレーしようとしていない、またはボールにプレーする可能性がない状況での反則

c.
フィールド上で起こった場所にかかわらず、退場となる反則(例えば、著しく不正なプレー、乱暴な行為、等)

※競技者が意図的にボールを手または腕で扱い、「相手チームの得点」または「決定的な得点の機会」を阻止した場合(但し、自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが行ったものには適用しない)は、反則を犯した場所、すなわちペナルティーエリア内外にかかわらず「退場」となる。

 ボールへのチャレンジがキーポイントになっており、ボールへのプレー可能性がない場合は従来どおり「三重罰」が適用されることになる。また、このルールは2年間の試行のうえ、再検証されることになっている。




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2.キックオフはどの方向に蹴っても良い

従来の記述:ボールは、けられて前方に移動したときインプレーとなる

新ルール:キックオフの際、ボールはどの方向に蹴っても良い

 これまではセンターサークル内に2人以上が入り、前方に軽く蹴り出してインプレーとなるケースがほとんどだった。しかし、新ルールのもとではキックオフ時にバックパスをすることが可能になったため、1人だけがセンターサークルに入り、バックパスからインプレーとなるケースも見られるようになるかもしれない。

3.審判は試合開始前に選手を退場にすることができる

 第5条「主審」について、審判は試合開始前に選手を退場にすることができると追記されることになった。

 試合前に“退場”となった選手の取り扱いについては以下のように定められている。

・チームリスト提出前:チームリストに入ることができない
・チームリスト提出後、キックオフ前。:控え選手を代わりに出場させることができる。(控え選手の補充は不可)
・キックオフ後:埋め合わせは不可

 なお、チームリスト提出前に選手が退場処分を受けるというのはどのようなケースなのかについては、IFABが出している資料ではわかりかねる。

4.延長戦時には4人目の交代が可能

 ノックアウトステージの競技会において、延長戦では4人目の交代が実験的に許可されることとなった。

 リオ五輪2016、U-20女子W杯パプア・ニューギニア、FIFAクラブワールドカップジャパン2016で実施される。

 なお、かつてリーグ戦で延長戦を行っていたJリーグでは、延長戦に突入した場合に4人目の交代を認めていた時期がある。当時は「延長時に追加の交代枠があることで、90分の間に3人目の交代を積極的に行えるようになった」という監督の声も聞かれたものだった。

5.アディショナルタイムをとる理由が追加

 給水タイムもアディショナルタイムをとる理由となった。

 これまでの記述は以下の通り。

---

 次のことで時間が空費された場合、前、後半それぞれ時間を追加する。

・競技者の交代
・競技者の負傷の程度についての判断
・負傷した競技者を治療のためフィールドから退出させる
・時間の浪費
・その他の理由

 空費された時間をどれだけ追加するかは主審の裁量である。

---

6.アドバンテージシグナルの変更

 これまでアドバンテージを取る際に、主審は両手を挙げてきた。だが両手を伸ばすのはレフェリーのランニングアクションを制限してしまうという理由により、今後は片手でのシグナルも認められることになった。

7.審判団へのビデオアシスタントについて

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ビデオアシスタントの導入は限定的なものであるとともに、試験的なものである【画像はFIFA公式サイトより】

 試合の状況を変えてしまうような明らかなミスを防ぐため、ビデオアシスタントレフェリー(VARs)が2年間、試行されることになった。

 同システムはあらゆる場面で適用されるものではなく、ゲームの流れを大きく左右する3つの局面と、制裁に関するものに限られる。該当するのは以下の通り。

・得点の有無
・PKの判定
・レッドカード提示の判断
・誤った競技者へ処分を科した場合

 ビデオアシスタント使用の流れは次のようになる。

1.判定や起きた事象を見返すべきだということを、レフェリーがVARsに伝えるか、VARsがレフェリーに勧告する。

2.VARsがビデオを確認し、レフェリーにそれを伝える。

3.改めて判定を下す前に、レフェリーがピッチ脇で動画を確認する。

もしくは

 VARsからの情報をレフェリーが正しい判断として受け入れ、判定を下す。

 いくつかの報道によれば、JリーグがVARsの試験運用に名乗りを挙げているという。ただ、これはあくまで試験的なものであり、現状では世界的に適用されるルールではない。

8.主審を殴ったら相手に直接FKが与えられる

 これまでは相手競技者へのファウルやハンドの反則を犯した場合に、相手チームに直接フリーキックの機会が与えられた。

 しかし今後は、控え競技者、チーム役員、審判団に危害を加えた場合にも、相手チームに直接フリーキックが与えられるようになる。

9.ピッチ上で治療を受け、そのままプレーも可能に

 従来の記述では、重傷を負った競技者はフィールドから退出させられ「試合が再開されたのちにのみフィールドに復帰」できた。

 だが改訂後の競技規則では、警告/退場を伴ったファウルで怪我を負った競技者は、フィールド上で短時間の処置を受け、プレー可能であればフィールド外に出ることなくそのままプレーすることができるようになった。

 警告/退場を伴ったファウルにこの規定が限定されていることには注意が必要だが、タッチライン上で選手がプレーへの復帰を要求する場面は減りそうだ。

10.ゴールキックはボールを静止させなければならない

 何をいまさら、と思われる方は多いだろう。しかし驚くべきことに、従来の競技規則では「ボールを静止」させることは規定されていなかった。

 ちなみにもしゴールキックを自ゴールに直接蹴り込んだ場合はオウンゴールにはならず、相手のコーナーキックになる。相手チームのゴールに直接ボールが入った場合は、ゴールキックからでも得点が認められる。

【国際サッカー評議会(International Football Association Board)とは】
サッカーの競技規則を決定する機関であり、FIFAから4名と英国4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)から各1名の代表、計8名で構成されている。出席者の3/4以上の賛成があった場合に、競技規則は改正される。

(文:中山佑輔)




毎日新聞
<Jリーグ>7月からルール変更
2016年5月19日

 日本サッカー協会は19日、東京都内で理事会を開き、国際サッカー評議会で3月に決まったルール変更を7月からJリーグに適用することなどを決めた。今回のルール変更では「ペナルティーエリア内でファウルをして、決定的な得点機を阻止した選手は必ず退場になっていたが、ボールに対するプレーなどの場合は警告とする」などの変更がされる。

 また、日本開催を目指しているフットサルの2020年ワールドカップの招致委員長に小倉純二・協会最高顧問を選任。熊本地震で被災した熊本県に500万円を寄付し、熊本県協会に500万円の支援をすることを決めた。【鈴木英世】


スポニチアネックス
村井チェアマン“追加の副審”AARをテスト中 ナビスコ杯で本格導入
2016年5月31日

 ◇村井チェアマンの直言

 AAR(アディショナル・アシスタント・レフェリー)という言葉を知っている方はかなりのサッカー通と言えるのではないだろうか。

 Jリーグでは今シーズンから試験的に通常の4人のレフェリーに加えて両サイドのゴールライン上に追加の副審であるAARを置く試合を設けたが、5月22日のJ3G大阪U―23VS相模原の試合で初めてAARが起用された。

 ゴール前の決定的な場面を主に見ることになるAARには高度な判断力が求められる。ペナルティーエリア内で起きた事象について、主審と瞬時にコミュニケーションを取りながら主審を補完することを要求される。

 この日の試合でAARを受け持ったレフェリーに直接話を聞く機会を持った。これまでフィールド上でゲームを追っていた人間にとって、ゴールライン上に立って見続けるサッカーはこれほどまでに異なる景色なのかと驚いたという。そして、自身が主審であった時を想像し、自分の視野の範囲から外れてしまう自身の背後のスペースを見てくれるという安心感は大きいだろうとの意見だった。そして、余談ではあるが90分間走り回る主審の時と違い、同じ位置に立ち続けることで、異質な疲れがどっと出たそうだ。

 そして、もう一つの効果として大きかったことは、プレーヤーがAARに見られているという意識が非常に高かったため、この試合では危険なシーンは発生することがなかったということだ。つまり、AAR導入による予防の効果も出ていたことになる。前出のレフェリーによると、選手たちもゴール前では、明らかにAARを意識していることを感じたという。

 選手たちの技術は日々向上し、プレースピードやパススピードは高速化の一途をたどっている。こうした進歩に対応したジャッジを行うには新たな視点が必要であることは明らかである。今シーズンはJ3リーグで数試合テストを重ねた後、ナビスコカップの準決勝、決勝やチャンピオンシップで本格的な導入を行う。ファン、サポーターにフェアな試合を見てもらうことはJリーグのチェアマンとしての責務であるから、その助けになることには積極的に取り組んでいきたい。(Jリーグチェアマン)




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